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column・・・002フリープラン住宅と、オーダーメイド住宅の違い

住宅の世界から本当の意味での「オーダーメイド」が失われようとしているのをご存じでしょうか。本来、住宅は一棟一棟を建築現場でつくるため、オーダーメイドは当たり前のことでした。一部の企業では工場で組み立てた家を建築する手法も実践されましたが、コスト面などで現場建築=オーダーメイドの方が優れたいたため普及はしませんでした。

そんな風に、脈々と続いてきたオーダーメイドの歴史が、今、終わろうとしています。「えっ、どこのハウスメーカーもオーダーメイドを謳ってるのに?」そんな声が聞こえてきそうですが、多くの住宅会社が打ち出しているオーダーメイドのほとんどは、厳密に言えば「フリープラン住宅」。完全な「オーダーメイド住宅」ではないのです。

「フリープランとオーダーメイド?違いがよくわからない・・・・・・」と、頭が混乱してしまいがちなお話なので、一端ここで整理します。

 「建物のかたち、デザイン、内装が決まっていて、プランは自由」というのがフリープラン住宅。当然、色や設備、オプションは選べますので、服でいうと「イージーオーダー」という感じでしょうか。

これに対して「かたち、デザイン、内装、プラン全てが自由」というのがオーダーメイド住宅です。フリープラン住宅の仕上がりは「ぱっと見同じ」です。プランが違うだけで基本的には「同じ家」なのです。今や、このようなフリープラン住宅が市場の大半を占めるようになっています。

その結果、敷地に対する自由なレイアウト、好みに寄り添った外観デザインや、空間の雰囲気づくりなどは難しくなり、予め決められたスタイルをカタログから選ぶことが当たり前になりました。そこから外れたオーダーメイドは「特注」と呼ばれ、価格も跳ね上がります。

「寝室はこの前泊まったホテルみたいにしたい」「外観は雑誌で見たあの感じがいい」「敷地はこんな風に使いたい・・・・・・」そんな素直な希望が、贅沢な仕様になってしまったのです。

とは言え、「フリープラン住宅」も「オーダーメイド住宅」も、工場でなく、現場で建築します。だからコスト的にも大きな差はありません。にもかかわらず、なぜ、家は「つくる商品」から、車のように「選ぶ商品」に変わってしまったのでしょうか。

それは多くの住宅会社から、「技術がわかる建築士」が姿を消してしまったからです。技術より販売を重視する会社が増え、社員のほとんどは営業マン、デザイナー中心になり、商品開発や技術開発は建材メーカー任せという会社が多くなっています。

従来の「オーダーメイド住宅」のように、敷地レイアウト、外観、空間をゼロからデザインし、構造計算、認証取得、部材の選定、コストの検証ができる「技術」を持った会社は、本当に少なくなってしまいました。

しかし、だからこそ考えてください。あなたが心から欲しいと思えるのは、「フリープラン住宅」なのか、「オーダーメイド住宅」なのかを。

「オーダーメイド住宅」には、敷地をフルに活かして、街並に映える外観や、美しい借景、リラックスできる空間をつくり、人生を豊かにしてくれる、そんな魅力があります。コスト面では大きな違いがないのですから、安易に妥協して「フリープラン住宅」だけでなく、本当の意味での「オーダーメイド住宅」がつくれる会社を見極めて、検討してみてはいかがでしょうか。